ビルドスクリプト

各言語版の実装について、環境構築・ビルド・実行を1つのコマンドで行えるPythonスクリプトを用意しています。

概要

各言語のディレクトリに build_and_run.py スクリプトがあります：

• src/python/build_and_run.py - Python版
• src/rust/build_and_run.py - Rust版
• src/go/build_and_run.py - Go版（Pure Go - Oto）
• src/go-portaudio/build_and_run.py - Go版（PortAudio + Zig cc）
• src/typescript/cli/build_and_run.py - TypeScript CLI版
• src/typescript/browser/build_and_run.py - TypeScript Browser版

これらのスクリプトは以下の機能を提供します：

1. 依存関係のチェック: 必要なツール（Python、Go、Rust、npm等）が利用可能かチェック
2. 環境構築: 必要なライブラリや依存関係を自動的にインストール
3. ビルド: ソースコードをビルド（タイムスタンプチェックにより必要な場合のみ）
4. 実行: ビルドしたアプリケーションを実行

基本的な使い方

各言語のディレクトリで以下のコマンドを実行：

# デフォルト（Smooth版）を実行
python build_and_run.py

# Simple版を実行
python build_and_run.py --simple

# Smooth版を実行（明示的）
python build_and_run.py --smooth

# クリーンビルドを実行
python build_and_run.py --clean

オプション

オプション	説明
--clean	依存関係の再インストールとクリーンビルドを実行
--simple	Simple版（8msごとに階段状に周波数変化）を実行
--smooth	Smooth版（指数平滑化で滑らかに周波数変化）を実行（デフォルト）

※ TypeScript Browser版は --build オプションで本番用ビルド、--dev オプションで開発サーバー起動（デフォルト）

各言語版の実行例

Python版

cd src/python
python build_and_run.py --smooth

依存関係：

• Python 3.8+
• pip
• sounddevice, numpy（自動インストール）

Rust版

cd src/rust
python build_and_run.py --smooth

依存関係：

• Rust (rustc, cargo)
• Visual Studio Build Tools（Windows）

Go版（Pure Go - Oto）⭐推奨

cd src/go
python build_and_run.py --smooth

依存関係：

• Go 1.24+
• CGO不要！

Go版（PortAudio + Zig cc）

cd src/go-portaudio
python build_and_run.py --smooth

依存関係：

• Go 1.24+
• Zig cc
• PortAudio DLL（自動ダウンロード）

TypeScript CLI版

cd src/typescript/cli
python build_and_run.py --smooth

依存関係：

• Node.js
• npm
• Windows専用

TypeScript Browser版

# 開発サーバー起動（デフォルト）
cd src/typescript/browser
python build_and_run.py

# 本番用ビルド
python build_and_run.py --build

依存関係：

• Node.js
• npm

タイムスタンプベースのビルド

各スクリプトは、ソースファイルのタイムスタンプをチェックし、変更があった場合のみビルドを実行します。 これにより、無駄なビルド時間を削減できます。

ビルドをスキップする条件：

• ターゲットファイル（実行ファイル）が存在する
• すべてのソースファイルがターゲットファイルより古い

クリーンビルドを強制する場合は --clean オプションを使用してください。

プロジェクトルートからの一括実行

プロジェクトルートの build_and_run.py を使用すると、全言語版をまとめて管理できます：

# すべての言語版をビルドして、メニューから選んで実行
python build_and_run.py

メニューオプション：

• 99 - 全言語版のクリーンビルドを実行

このオプションは、各言語版の build_and_run.py --clean を順番に実行します。

トラブルシューティング

Python版

エラー: sounddeviceが見つかりません

解決策:

pip install -r requirements.txt

または

python build_and_run.py --clean

Rust版

エラー: cargo: command not found

解決策: Rustをインストールしてください

• https://www.rust-lang.org/tools/install

Go版（Pure Go - Oto）

エラー: go: command not found

解決策: Goをインストールしてください

• https://go.dev/dl/

Go版（PortAudio + Zig cc）

エラー: zig: command not found

解決策:

1. Zigをインストールしてください（https://ziglang.org/download/）
2. Zigを環境変数PATHに追加してください
3. または、Pure Go版（src/go）の使用を推奨します

TypeScript版

エラー: npm: command not found

解決策: Node.jsをインストールしてください

• https://nodejs.org/

共通ユーティリティ

src/build_utils.py には、各ビルドスクリプトで使用される共通関数が含まれています：

• log_info(), log_success(), log_error(), log_warning() - ログ出力
• command_exists() - コマンドの存在チェック
• is_source_newer_than_target() - タイムスタンプ比較
• clean_directory() - ディレクトリのクリーンアップ
• run_command() - コマンド実行

設計思想

これらのビルドスクリプトは、以下の原則に基づいて設計されています：

1. シンプルさ: 1つのコマンドで環境構築からビルド、実行まで完了
2. 効率性: タイムスタンプベースのビルドで無駄なビルドを回避
3. 一貫性: すべての言語版で同じインターフェース
4. 自己完結性: 必要な依存関係を自動的にセットアップ
5. クロスプラットフォーム: Python 3で動作（ただしWindows専用）

参考情報

• プロジェクトルートのREADME
• GitHub Copilot Instructions