Go PortAudio版 - Cat Oscillator Sync (Zig cc使用)

🎵 Go + PortAudio版 マウスで鳴らせるオシレータ・ハードシンク・シンセサイザー

⚠️ 重要

このPortAudio版は、Zig ccを使用してビルドします。 MinGWやTDM-GCCは使用しません。

Pure Go版（Oto）を使用したい場合は、../go/ディレクトリを参照してください。

📋 必要な環境

• Windows 10/11
• Go 1.24以上
• Zig 0.11以上 （C言語コンパイラの代わり）

🔧 Zigのインストール

方法1: 公式バイナリ（推奨）

1. Zig ダウンロードページ から最新版をダウンロード
2. ZIPファイルを解凍（例: C:\zig）
3. システム環境変数のPATHに追加（例: C:\zig）
4. 確認:

   zig version
   

方法2: Scoop（Windows パッケージマネージャ）

scoop install zig

🚀 ビルド方法

ステップ1: PortAudio DLLのダウンロード

cd src\go-portaudio
python download_portaudio.py

このスクリプトは libportaudio64bit.dll を bin/ ディレクトリにダウンロードします。

ステップ2: Zig ccを使用してビルド

cd src\go-portaudio

REM Zigをコンパイラとして使用
set CC=zig cc
set CXX=zig c++
set CGO_ENABLED=1

REM Simple版をビルド
go build -o bin\sync_simple.exe .\cmd\sync_simple

REM Smooth版をビルド
go build -o bin\sync_smooth.exe .\cmd\sync_smooth

または、提供されているビルドスクリプトを使用:

build.bat

🎮 実行方法

cd bin

REM Simple版を実行
sync_simple.exe

REM Smooth版を実行
sync_smooth.exe

使い方

1. プログラムを実行するとオーディオストリームが開始されます
2. マウスを画面上で動かして音を制御してください
   • X軸 (横方向): マスター周波数 (40Hz - 600Hz)
   • Y軸 (縦方向): スレーブ周波数 (100Hz - 2000Hz)
3. Ctrl+C で終了

バージョンの違い

Simple版

• 8msごとに周波数が階段状に変化
• マウスを素早く動かすと、音が段階的に変化する
• シンプルな実装で理解しやすい

Smooth版

• サンプルごとに滑らかに周波数が変化
• 指数平滑化により自然な音の遷移
• より音楽的で実用的

なぜZig ccを使うのか？

Zigの利点

• シンプル: 単一バイナリ、依存関係なし
• クロスコンパイル対応: 追加ツール不要でクロスコンパイル可能
• 軽量: MinGW（数GB）に比べて非常に軽量（約60MB）
• 最新のツールチェイン: 最新のLLVM/Clangベース
• 環境を汚さない: インストールが簡単、アンインストールも簡単

MinGWとの比較

項目	Zig cc	MinGW/TDM-GCC
サイズ	~60MB	数GB
インストール	ZIPを解凍するだけ	インストーラー実行
クロスコンパイル	標準対応	追加ツール必要
依存関係	なし	多数のライブラリ
PATH汚染	最小限	多数のバイナリ

トラブルシューティング

ビルドエラー: “zig: command not found”

Zigが正しくインストールされているか、PATHに追加されているか確認してください。

zig version

ビルドエラー: “portaudio.h not found”

これは正常です。PortAudioのヘッダーファイルはDLLに含まれており、 gordonklaus/portaudioパッケージが自動的に処理します。

実行時エラー: “DLLが見つからない”

bin/ ディレクトリに libportaudio64bit.dll が存在することを確認してください。 存在しない場合は、download_portaudio.py を実行してください。

プロジェクト構成

src/go-portaudio/
├── go.mod                           # Go モジュール定義
├── .gitignore                       # Git除外設定
├── README.md                        # このファイル
├── download_portaudio.py            # PortAudio DLLダウンロードスクリプト
├── build.bat                        # Windowsビルドスクリプト
├── cmd/
│   ├── sync_simple/
│   │   └── main.go                 # Simple版エントリポイント
│   └── sync_smooth/
│       └── main.go                 # Smooth版エントリポイント
├── internal/
│   ├── mouse/
│   │   ├── position.go             # マウス位置取得 (共通インターフェース)
│   │   ├── position_stub.go        # スタブ実装
│   │   └── position_windows.go     # Windows実装
│   └── synth/
│       ├── simple.go               # Simple版シンセサイザー
│       └── smooth.go               # Smooth版シンセサイザー
└── bin/                            # ビルド出力 (gitignore)
    ├── sync_simple.exe             # Simple版実行ファイル
    ├── sync_smooth.exe             # Smooth版実行ファイル
    └── libportaudio64bit.dll       # PortAudio DLL

技術詳細

CGO使用の理由

gordonklaus/portaudio パッケージはCGOを使用してC言語のPortAudioライブラリを呼び出します。 これにより、低レベルなオーディオ制御が可能になります。

Zig ccとCGO

Zig ccは、Clang/LLVMベースの完全なC/C++コンパイラとして機能し、 GoのCGOが必要とするすべての機能を提供します。

オーディオライブラリ

• PortAudio (gordonklaus/portaudio): クロスプラットフォームオーディオI/Oライブラリ
• サンプルレート: 48000 Hz
• ブロックサイズ: 8ms分のサンプル (384サンプル)

マウス位置取得

• Windows: user32.dllのGetCursorPos APIを直接呼び出し (syscall)
• ポーリング間隔: 8ms (125Hz)

Pure Go版との比較

このプロジェクトには2つのGo実装があります：

go-portaudio版（このディレクトリ）

• ✅ 最高のレイテンシとパフォーマンス
• ✅ プロフェッショナル向け
• ❌ Zigが必要（CGO使用）
• ⚠️ セットアップがやや複雑

go版（Oto使用）

• ✅ Pure Go - コンパイラ不要
• ✅ 簡単ビルド - go buildだけ
• ✅ 環境を汚さない
• ✅ モノフォニックシンセには十分な性能
• ⚠️ レイテンシは若干劣る可能性

一般ユーザーにはgo版（Oto）を推奨します。

ライセンス

このプロジェクトは MIT License の下で公開されています。